Gretsch:伝説のギターブランドの魅力と歴史を徹底解説

 

Gretsch。その名を聞くと、鮮やかなカラーリングと独特のボディシェイプを持つギターを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。本記事では、そんな伝説的なギターブランド、Gretschの魅力と歴史を徹底解説します。Gretschの起源から創業者フリードリッヒ・グレッチの物語、そして黄金期から現代に至るまでの歴史を紐解き、Gretschサウンドの秘密に迫ります。鮮やかな高音域、力強い中音域、ふくよかな低音域…Gretschならではのサウンドの特徴を理解することで、その魅力をより深く味わうことができるでしょう。また、White Falcon、Chet Atkins Hollow Body、Country Gentleman、Duo Jetといった代表的なモデルの紹介に加え、チェット・アトキンスやジョージ・ハリスン、ブライアン・セッツァーなど、Gretschを愛用する著名なギタリストについても触れます。さらに、演奏スタイルや予算に合わせたGretschギターの選び方、日頃のメンテナンス方法、そして中古ギターを選ぶ際の注意点まで、Gretschギターに関するあらゆる情報を網羅。この記事を読めば、Gretschギターへの理解が深まり、あなたにぴったりの一本を見つけるための確かな知識が得られるはずです。

1. Gretschとは

Gretsch(グレッチ)は、1883年にドイツ移民のフリードリッヒ・グレッチによってアメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリンで創業された、歴史ある楽器メーカーです。当初はバンジョーやタンバリンなどの打楽器を製造していましたが、後にギター、ドラムセットなど、多岐にわたる楽器の製造へと事業を拡大しました。Gretschギターは、その独特のサウンドとデザインで、世界中の多くのミュージシャンに愛されています。特に、カントリー、ロックンロール、ロカビリーといったジャンルにおいて、Gretschギターは欠かせない存在となっています。現在では、Fender Musical Instruments Corporation(フェンダー・ミュージカル・インストゥルメンツ・コーポレーション)傘下のブランドとして、その伝統と革新性を継承しながら、高品質な楽器を作り続けています。

1.1 Gretschの起源

1883年、フリードリッヒ・グレッチは27歳という若さでアメリカに移住し、ブルックリンに小さな楽器店を開業しました。これがGretschの始まりです。当初はバンジョーやタンバリンなどの打楽器を中心に販売していましたが、フリードリッヒの死後、事業は彼の息子であるフレッド・グレッチに引き継がれました。フレッドは事業を拡大し、ギターやマンドリンなどの弦楽器製造にも着手、Gretschは本格的な楽器メーカーへと成長を遂げていきます。第一次世界大戦の影響でドイツからの楽器輸入が途絶えたことが、Gretschの成長を後押しする追い風となりました。

1.2 Gretschの創業者、フリードリッヒ・グレッチ

フリードリッヒ・グレッチは、1856年にドイツで生まれました。幼少期から音楽に興味を持ち、楽器製作の技術を習得しました。27歳でアメリカに移住し、1883年にニューヨーク州ブルックリンで楽器店を開業、これがGretschの起源となります。フリードリッヒは、高品質な楽器を提供することに情熱を注ぎ、その精神は現在のGretschにも受け継がれています。残念ながら、フリードリッヒは若くしてこの世を去りますが、彼の築き上げた基盤は、後のGretschの発展に大きく貢献することとなります。フリードリッヒの死後、事業は彼の息子であるフレッド・グレッチに引き継がれ、更なる発展を遂げていくことになります。

項目 内容
創業年 1883年
創業者 フリードリッヒ・グレッチ
創業地 アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン
主な製品 ギター、ドラム、バンジョー、ウクレレなど
現在の親会社 Fender Musical Instruments Corporation

2. Gretschギターの魅力

Gretschギターは、その独特のサウンド、目を引くデザイン、そして豊かな歴史によって、多くのギタリストを魅了し続けています。ここでは、Gretschギターの魅力をサウンド、デザイン、そして選ばれる理由という3つの側面から詳しく解説します。

2.1 Gretschサウンドの個性

Gretschサウンドは、他のブランドにはない独特の個性を持っています。その特徴は、鮮やかな高音域、力強い中音域、そしてふくよかな低音域の絶妙なバランスにあります。様々なジャンルに適応できる懐の深さも魅力です。

2.1.1 鮮やかな高音域

Gretschギターの高音域は、きらびやかで煌びやかなトーンが特徴です。特に、ハイロートロンピックアップを搭載したモデルは、その特徴が顕著で、カントリーやロックンロール、ロカビリーなどで多用されます。クリーンなサウンドでも存在感を失わず、コードワークを美しく彩ります。

2.1.2 力強い中音域

Gretschギターの中音域は、力強くパンチのあるサウンドが特徴です。リードギターを演奏する際に、他の楽器に埋もれることなく、しっかりと存在感を主張することができます。特に、フィルタートロンピックアップは、その特徴を最大限に引き出し、ブルースやジャズ、ロックなど幅広いジャンルで活躍します。

2.1.3 ふくよかな低音域

Gretschギターの低音域は、ふくよかで深みのあるサウンドが特徴です。バンドアンサンブルの中でも、しっかりとボトムを支え、心地よいグルーヴを生み出します。特に、ホローボディ構造のモデルは、その特徴が顕著で、ジャズやブルース、ロックンロールなどで重宝されます。

2.2 Gretschのデザインの魅力

Gretschギターは、その個性的なデザインも大きな魅力の一つです。ボディシェイプ、カラーリング、装飾など、細部に至るまでこだわり抜かれたデザインは、多くのギタリストの心を掴んでいます。

2.2.1 個性的なボディシェイプ

Gretschギターは、Jetシリーズに代表されるようなコンパクトなボディから、White Falconのような大きなホローボディまで、様々なボディシェイプをラインナップしています。それぞれのモデルに合わせた最適なボディシェイプを採用することで、演奏性とサウンドの両立を実現しています。代表的なものには、カッタウェイの有無、シングル/ダブルカッタウェイなど、様々なバリエーションがあります。

2.2.2 目を引くカラーリング

Gretschギターは、鮮やかなカラーリングも魅力の一つです。定番のブラックやオレンジ、ホワイトに加え、ゴールドやシルバー、グリーンなど、様々なカラーバリエーションが用意されています。特に、スパークル系のカラーはGretschの代名詞とも言える存在で、ステージ上でもひときわ目を引く存在感を放ちます。

2.2.3 高級感あふれる装飾

Gretschギターは、高級感あふれる装飾も魅力の一つです。ヘッドストックのインレイや、fホールのバインディング、ピックガードのデザインなど、細部に至るまで丁寧に装飾が施されています。これらの装飾は、Gretschギターの美しさをさらに際立たせ、所有する喜びを高めてくれます。例えば、サムネイルインレイ、Gカットアウトテールピース、Bigsby B6ビブラート・テイルピースなどが挙げられます。

2.3 Gretschが選ばれる理由

 

Gretschギターが多くのギタリストに選ばれる理由は、そのサウンドとデザインの魅力だけではありません。長年に渡って培われてきた歴史と伝統、そして高い品質も、Gretschギターが支持される大きな理由です。

特徴 詳細
多様なジャンルへの対応力 ロックンロール、ロカビリー、カントリー、ブルース、ジャズ、ポップスなど、様々なジャンルで活躍できるサウンドキャラクターを持っています。
幅広い価格帯 エントリーモデルからハイエンドモデルまで、幅広い価格帯のモデルがラインナップされているため、予算に合わせて選ぶことができます。
豊富なモデルバリエーション ソリッドボディ、ホローボディ、セミホローボディなど、様々なボディタイプ、ピックアップ構成のモデルが available なため、自分のプレイスタイルに合った一本を見つけることができます。
ヴィンテージ市場での人気 Gretschギターはヴィンテージ市場でも高い人気を誇っており、コレクターズアイテムとしても価値があります。
著名アーティストの使用 チェット・アトキンスやジョージ・ハリスン、ブライアン・セッツァーなど、多くの著名アーティストが愛用していることも、Gretschギターの魅力を高めています。

3. Gretschの歴史

Gretschの歴史は、1883年にドイツからの移民、フリードリッヒ・グレッチがニューヨークのブルックリンで小さな楽器店を開いたことから始まります。当初はバンジョーやタンバリンなどの販売が中心でしたが、フリードリッヒの死後、事業を引き継いだ息子のフレッド・グレッチSr. のもとでギター、マンドリン、ドラムなどの製造を開始し、Gretschは楽器メーカーとして大きく成長していくことになります。

3.1 Gretschの誕生と発展

1916年、フレッド・グレッチSr. が急逝。後を継いだのは当時まだ10代の若者だったフレッド・グレッチJr. でした。彼はGretschをドラム製造の分野で成功に導き、1930年代には世界的なドラムメーカーとしての地位を確立します。そして、その勢いを駆ってギター製造にも本格的に参入し、独自のブランドイメージを築き上げていきます。Gretschギターの特徴である鮮やかなカラーリングや個性的なボディシェイプ、そしてフィルタートロン・ピックアップが生み出す独特のサウンドは、多くのギタリストを魅了しました。

3.2 黄金期と衰退

1950年代から60年代にかけて、Gretschは黄金期を迎えました。チェット・アトキンスとのエンドースメント契約は、Gretschのブランドイメージをさらに高め、White Falconや6120 Chet Atkins Hollow Bodyといった代表的なモデルが誕生しました。この時期のGretschギターは、ロックンロールやカントリーミュージックの隆盛と共に、世界中のステージで輝きを放ちました。しかし、1967年にBaldwin社に買収された後、Gretschは徐々にその独自性を失い、生産規模も縮小。1980年代には事実上、生産が停止してしまいます。

3.3 現代のGretsch

Gretschの復活劇が始まったのは1980年代後半。フレッド・グレッチ3世がBaldwin社から商標権を買い戻し、Fender Musical Instruments Corporationと提携することで、Gretschギターは再び生産されるようになりました。Fenderの高度な生産技術と品質管理体制のもと、過去のモデルを忠実に再現した復刻版や、現代的なニーズを取り入れた新しいモデルが次々と発表され、Gretschは再び世界中のミュージシャンから注目を集めています。現在では、エレクトリックギターだけでなく、アコースティックギター、ベース、ドラムなども製造しており、総合楽器メーカーとして再びその名を轟かせています。

年代 出来事
1883年 フリードリッヒ・グレッチがニューヨークで楽器店を開業
1916年 フレッド・グレッチSr. が急逝、フレッド・グレッチJr. が事業を継承
1930年代 ドラム製造で世界的なメーカーとしての地位を確立
1950~60年代 チェット・アトキンスとのエンドースメント契約、黄金期を迎える
1967年 Baldwin社に買収される
1980年代 事実上、生産停止
1980年代後半 フレッド・グレッチ3世が商標権を買い戻し、Fenderと提携して復活

4. 代表的なGretschギターのモデル

Gretschといえば、その個性的なデザインとサウンドで多くのギタリストを魅了してきたブランドです。ここでは、Gretschを代表する象徴的なモデルをいくつか紹介します。

4.1 White Falcon

White Falconは、Gretschのフラッグシップモデルとして、その豪華絢爛なルックスと唯一無二のサウンドで知られています。1954年に発表されたこのモデルは、その名の通り白いハヤブサをイメージしたデザインで、ゴールドパーツや煌びやかなインレイが施されています。ボディはホロウ構造で、ダイナミックで豊かなサウンドを生み出します。カントリー、ロック、ジャズなど、幅広いジャンルで活躍するギターです。White Falconにはシングルカッタウェイとダブルカッタウェイのモデルが存在し、それぞれ異なるサウンドキャラクターを持っています。また、搭載されるピックアップの種類によってもサウンドバリエーションが豊富です。代表的なピックアップには、フィルタートロン、ダイナソニック、TVジョーンズなどがあります。

4.2 Chet Atkins Hollow Body

Chet Atkins Hollow Bodyは、カントリーミュージックのレジェンド、チェット・アトキンスの名を冠したモデルです。Gretschとチェット・アトキンスの長年にわたるコラボレーションによって生まれたこのギターは、その優れたプレイアビリティとクリアで繊細なサウンドで高い評価を得ています。6120、6121、6122など、様々なバリエーションが存在し、それぞれ異なる仕様を備えています。例えば、6120はシングルカッタウェイ、6121はダブルカッタウェイ、6122はダブルカッタウェイにゼロフレット仕様となっています。また、搭載されるピックアップもモデルによって異なり、フィルタートロン、ハイロートロンなどがあります。

4.3 Country Gentleman

Country Gentlemanは、その名の通りカントリーミュージックのために設計されたモデルですが、ロックやジャズなど様々なジャンルでも使用されています。Chet Atkins Hollow Bodyと同様にホロウボディ構造を採用しており、ウォームでリッチなサウンドが特徴です。ダブルカッタウェイのボディシェイプと、Bigsbyビブラートテイルピースが、このモデルの代表的な特徴です。ジョージ・ハリスンが愛用していたことでも知られており、特に1960年代のビートルズの楽曲でそのサウンドを聴くことができます。Country Gentlemanもまた、様々なバリエーションが存在し、ピックアップやハードウェアの仕様が異なります。

4.4 Duo Jet

Duo Jetは、Gretschのソリッドボディギターの代表格です。1953年に発売されたこのモデルは、チェンバードマホガニーボディとダイナソニックピックアップの組み合わせによる、パワフルでパンチのあるサウンドが特徴です。ロックンロールやロカビリーなどのジャンルで人気が高く、多くのギタリストに愛用されています。シンプルなデザインながら、ブラックのフィニッシュとシルバーのピックガードがクールな印象を与えます。Duo Jetもまた、時代と共に様々な改良が加えられ、現在では様々なバリエーションが存在します。

モデル名 ボディタイプ 主な特徴 代表的なプレイヤー
White Falcon ホロウボディ 豪華な装飾、豊かなサウンド ニール・ヤング、ブライアン・セッツァー
Chet Atkins Hollow Body ホロウボディ クリアで繊細なサウンド、高い演奏性 チェット・アトキンス、エディ・コクラン
Country Gentleman ホロウボディ ウォームでリッチなサウンド、Bigsbyビブラート ジョージ・ハリスン、ジョン・フルシアンテ
Duo Jet ソリッドボディ パワフルなサウンド、シンプルなデザイン マルコム・ヤング、クリフ・ギャラップ

これらのモデル以外にも、GretschはJet Firebird、Tenessee Rose、Falcon Rancherなど、多くの魅力的なギターを製造しています。それぞれのモデルが独自の個性とサウンドを持っており、プレイヤーの音楽性を豊かに表現することを可能にします。Gretschギターは、その歴史と伝統、そして革新的な精神によって、これからも多くのギタリストを魅了し続けるでしょう。

5. 著名なGretschプレイヤー

Gretschギターはその独特のサウンドとルックスで、数多くの著名なミュージシャンに愛用されてきました。ここでは、Gretschを愛用する代表的なプレイヤーたちとその使用モデル、そしてGretschサウンドが彼らの音楽にどのように貢献しているかを見ていきましょう。

5.1 チェット・アトキンス

カントリーミュージック界のレジェンド、チェット・アトキンスは、Gretschを代表するプレイヤーの一人です。彼の名を冠したシグネチャーモデル「Chet Atkins Hollow Body」シリーズは、Gretschの代名詞とも言える存在です。ソリッド・ボディの先駆けとなった6120をはじめ、様々なモデルを愛用し、滑らかでスピーディーなフィンガーピッキングスタイルで、Gretschのポテンシャルを世界に知らしめました。彼のクリーンで明瞭なトーンは、Gretschの鮮やかな高音域と力強い中音域を最大限に活かしたもので、カントリーミュージックだけでなく、ジャズやポップスなど幅広いジャンルに影響を与えました。

5.2 ジョージ・ハリスン

ビートルズのリードギタリスト、ジョージ・ハリスンもGretschを愛用した著名なミュージシャンです。特に印象的なのは、1963年にDuane Eddyから譲り受けたGretsch Duo Jetです。このギターは、初期ビートルズのサウンドを特徴づける重要な要素となり、「I Want to Hold Your Hand」などのヒット曲で聴くことができます。後に彼はCountry GentlemanやTennesseanなど、様々なGretschギターを使用し、その独特のサウンドはビートルズの音楽に彩りを添えました。彼のプレイスタイルは、Gretschのふくよかな低音域と歯切れの良い高音域を巧みにブレンドしたもので、ロックンロールの歴史に深く刻まれています。

5.3 ブライアン・セッツァー

ストレイ・キャッツのフロントマン、ブライアン・セッツァーは、現代におけるGretschギターの象徴的存在です。彼はGretsch 6120 Hollow Bodyを愛用し、そのエネルギッシュなロカビリーサウンドで世界中のファンを魅了しています。彼のシグネチャーモデルであるBrian Setzer Hot RodやBrian Setzer Nashvilleも人気が高く、多くのギタリストに愛用されています。彼のプレイスタイルは、Gretschの力強い中音域と歯切れの良い高音域を活かしたアグレッシブなもので、ロカビリー revivalの立役者として、Gretschギターの普及に大きく貢献しました。

プレイヤー名 代表的な使用モデル ジャンル
チェット・アトキンス 6120 Chet Atkins Hollow Body, Country Gentleman, Tennessean カントリー、ジャズ、ポップス
ジョージ・ハリスン Duo Jet, Country Gentleman, Tennessean ロックンロール
ブライアン・セッツァー 6120 Hollow Body, Brian Setzer Hot Rod, Brian Setzer Nashville ロカビリー、ロックンロール
ニール・ヤング White Falcon ロック、フォークロック
マルコム・ヤング(AC/DC) Jet Firebird ハードロック
ビリー・ダフィー(ザ・カルト) White Falcon ロック、ゴシックロック

これらのプレイヤー以外にも、多くのミュージシャンがGretschギターを愛用しています。Gretschの独特のサウンドとルックスは、様々なジャンルで愛され続け、音楽の歴史に彩りを添えています。Gretschギターを選ぶ際には、これらのプレイヤーのサウンドやプレイスタイルを参考にすると、自分に合ったモデルを見つけやすくなるでしょう。

6. Gretschギターの選び方

Gretschギターを選ぶ際に考慮すべき重要なポイントを、演奏スタイル、予算、そして中古ギター購入時の注意点という3つの観点から解説します。

6.1 演奏スタイルに合わせた選び方

Gretschギターは、その多様なモデルラインナップから、様々なジャンルに適応できます。ご自身の演奏スタイルに最適な一本を見つけるためのポイントをご紹介します。

6.1.1 ボディタイプ

ボディタイプ 特徴 適したジャンル
ホローボディ 豊かな鳴りと温かみのあるトーンが特徴。フィードバックしやすい面もある。 ジャズ、ブルース、ロックンロール
セミホローボディ ホローボディとソリッドボディの中間的な特性。適度なサスティーンとフィードバック抑制を実現。 ロック、ブルース、カントリー、ポップス
ソリッドボディ サスティーンが長く、パワフルなサウンド。フィードバックに強い。 ロック、メタル、パンク

6.1.2 ピックアップ

ピックアップタイプ 特徴 適したジャンル
Filter’Tron Gretschを代表するピックアップ。ブライトでクリアな高音域と力強い中音域が特徴。 ロックンロール、カントリー、ロカビリー
Dynasonic シングルコイルピックアップ。クリアでパワフルなサウンド。 ロック、ブルース、カントリー
HiLo’Tron ローノイズでハイアウトプットなハムバッカー。 ロック、メタル

6.1.3 ネックシェイプ

Gretschのネックシェイプはモデルによって異なります。薄めのネックは速弾きに向き、厚めのネックはコード弾きやフィンガーピッキングに適しています。試奏して自分に合ったネックシェイプを見つけることが重要です。

6.2 予算に合わせた選び方

Gretschギターは、エントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広い価格帯で展開されています。予算に合わせて最適なモデルを選びましょう。

価格帯 モデル例 特徴
10万円~20万円 Electromaticシリーズ、Streamlinerシリーズ コストパフォーマンスに優れたエントリーモデル。
20万円~40万円 Players Editionシリーズ プロ仕様の機能を備えたミドルクラスモデル。
40万円~ Professional Collectionシリーズ、Custom Shopモデル 最高級の素材と craftsmanship を追求したハイエンドモデル。

中古市場も選択肢の一つです。状態の良い中古ギターは、新品よりもリーズナブルな価格で購入できる場合があります。

6.3 中古Gretschギターの選び方

中古Gretschギターを購入する際の注意点をご紹介します。

6.3.1 状態の確認

  • ボディに傷や打痕がないか
  • ネックに反りやねじれがないか
  • フレットの摩耗具合
  • 電気系統に問題がないか
  • オリジナルパーツが揃っているか

6.3.2 シリアルナンバーの確認

シリアルナンバーから製造年やモデルを特定できます。偽造品や改造品を避けるためにも、必ず確認しましょう。Gretschの公式ウェブサイトや専門書籍でシリアルナンバーの情報を確認できます。

6.3.3 信頼できる販売店で購入

信頼できる楽器店や中古販売サイトで購入することをおすすめします。保証や返品サービスがあるかどうかも確認しておきましょう。

これらのポイントを踏まえ、自分にぴったりのGretschギターを見つけて、その魅力的なサウンドとデザインを存分にお楽しみください。

7. Gretschギターのメンテナンス

Gretschギターは、その美しいデザインと個性的なサウンドで多くのギタリストを魅了しています。長く愛用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。日々のケアから保管方法、修理の依頼先まで、Gretschギターのメンテナンスについて詳しく解説します。

7.1 日頃のメンテナンス

演奏前後に簡単なメンテナンスを行うことで、ギターの状態を良好に保ち、トラブルを未然に防ぐことができます。

7.1.1 演奏前の準備

演奏前に、ギターの状態をチェックしましょう。チューニングの確認はもちろん、ボディやネックに傷や汚れがないか、パーツに緩みがないかを確認します。特に、弦の錆や劣化は演奏に支障をきたすだけでなく、ギター本体にも悪影響を与えるため、注意が必要です。

7.1.2 演奏後のケア

演奏後は、弦の表面を柔らかいクロスで拭き取り、汗や指紋などの汚れを取り除きましょう。ボディやネックも同様に拭き、ケースにしまう前にギター全体の乾燥を確認することが大切です。また、季節や保管環境の変化に合わせて、加湿器や除湿剤を使用するなど、適切な湿度管理を心がけましょう。

項目 方法 頻度
弦の拭き取り 柔らかいクロスで弦を拭く 演奏後毎回
ボディ・ネックの拭き取り 柔らかいクロスでボディとネックを拭く 演奏後毎回
金属パーツの磨き 金属磨き用のクロスで磨く 週に1回程度
指板のクリーニング レモンオイル等を使用し、汚れを落とす 月に1回程度

7.2 保管方法

Gretschギターを長く愛用するためには、適切な保管方法が重要です。直射日光や高温多湿を避け、温度や湿度が安定した場所に保管しましょう。ハードケースはギターを外部の衝撃から守るだけでなく、急激な温度変化からも保護する役割を果たします。ケース内に乾燥剤を入れることで、湿度を適切に保つことができます。また、定期的にケースからギターを取り出し、状態を確認することも大切です。

7.2.1 ハードケースの選び方

Gretschギターに最適なハードケースは、ギターの形状にぴったりとフィットし、十分な保護性能を備えていることが重要です。純正のハードケースは、ギターのモデルに合わせて設計されているため、最もおすすめです。社外品を選ぶ場合は、サイズや形状、内装の素材などを確認し、ギターに最適なものを選びましょう。

7.3 修理について

Gretschギターに不具合が生じた場合は、自己判断で修理しようとせず、専門の修理業者に依頼しましょう。正規代理店や信頼できる楽器店に相談することで、適切な修理を受けることができます。ネックの反りやフレットの摩耗、電気系統のトラブルなど、ギターの修理は専門知識と技術が必要です。また、ヴィンテージギターの場合は、専門の知識を持つ修理業者に依頼することが重要です。

7.3.1 修理を依頼する際の注意点

修理を依頼する際には、ギターの状態を詳しく伝え、修理内容や費用について事前に確認しましょう。修理期間についても確認しておくと安心です。また、修理後の保証についても確認しておくことが大切です。信頼できる修理業者を選ぶことで、大切なGretschギターを安心して預けることができます。

8. Gretschに関するよくある質問

Gretschギターについてよくある質問をまとめました。購入を検討されている方、Gretschギターについてもっと知りたい方はぜひ参考にしてください。

8.1 Gretschはどこで買えるのか

Gretschギターは、以下の場所で入手できます。

  • 楽器店:全国の主要な楽器店では、Gretschギターが販売されています。実物を見て、試奏してから購入できるのが大きなメリットです。専門知識を持った店員に相談もできます。
  • オンラインストア:各楽器店のオンラインストアや、大手通販サイトでもGretschギターを購入できます。自宅で手軽に購入できるのがメリットです。ただし、実物を見ずに購入することになるので、商品の状態や仕様をよく確認することが重要です。
  • 中古楽器店:中古楽器店では、希少なヴィンテージモデルや、お手頃価格のGretschギターが見つかる可能性があります。状態をよく確認してから購入しましょう。
  • オークションサイト:オークションサイトでもGretschギターが出品されています。掘り出し物が見つかる可能性もありますが、商品の状態や真贋には注意が必要です。

正規販売店で購入することで、保証やアフターサービスを受けられるので安心です。購入前に、各販売店の在庫状況や価格を比較することをおすすめします。

8.2 Gretschの価格帯は

Gretschギターの価格帯は、モデルや状態によって大きく異なります。おおよその目安は以下の通りです。

モデルの種類 価格帯
Electromaticシリーズ(エントリーモデル) 10万円~20万円程度
Streamlinerシリーズ(ミドルグレード) 15万円~30万円程度
Professional Collectionシリーズ(ハイエンドモデル) 30万円~100万円以上
カスタムショップ製モデル 100万円以上
ヴィンテージモデル 数十万円~数百万円以上(状態や希少性による)

中古品は、状態によって価格が大きく変動します。購入前に、楽器の状態をよく確認し、適正価格かどうかを判断することが重要です。

8.3 Gretschギターのシリアルナンバーの見方

Gretschギターのシリアルナンバーは、製造年やモデルを特定するための重要な情報です。シリアルナンバーの見方は、製造時期によって異なります。

8.3.1 2003年以降のモデル

2003年以降のモデルは、ヘッド裏にシリアルナンバーが刻印されています。最初の2桁が製造年、残りの数字が製造番号を表します。例えば、「191234」であれば、2019年製の1234番目のギターであることを示します。

8.3.2 2002年以前のモデル

2002年以前のモデルは、様々な場所にシリアルナンバーが刻印されています。ヘッド裏、ネックブロック、fホール内部など、モデルによって異なります。また、シリアルナンバーの形式も統一されていません。ヴィンテージモデルのシリアルナンバーの解読は、専門家やGretschの公式ウェブサイトなどを参考にすると良いでしょう。

シリアルナンバーから製造年やモデルを特定することで、ギターの歴史や価値をより深く理解することができます。中古で購入する際は、シリアルナンバーを確認することで、偽物や改造品を見分ける手がかりにもなります。

8.4 Gretschギターの弦のゲージ

Gretschギターに推奨される弦のゲージは、.011-.049です。ただし、演奏スタイルや好みに合わせて、異なるゲージの弦を使用することも可能です。より太いゲージの弦は、よりパワフルなサウンドを生み出しますが、弦の張力が高くなるため、演奏しにくくなる場合があります。逆に、より細いゲージの弦は、より繊細なサウンドを生み出しますが、サスティンが短くなる場合があります。

8.5 Gretschギターのピックアップの種類

Gretschギターには、様々な種類のピックアップが搭載されています。代表的なピックアップは以下の通りです。

  • Filter’Tron:Gretsch独自のピックアップで、ブライトでクリアなサウンドが特徴です。
  • Dynasonic:シングルコイルピックアップで、パワフルでパンチのあるサウンドが特徴です。
  • HiLo’Tron:ハムバッカーピックアップで、ウォームで豊かなサウンドが特徴です。

ピックアップの種類によって、ギターのサウンドキャラクターが大きく変わるため、自分の演奏スタイルや好みに合ったピックアップを選ぶことが重要です。

9. まとめ

この記事では、伝説のギターブランドGretschの魅力と歴史について詳しく解説しました。Gretschは、1872年にフリードリッヒ・グレッチによって設立された老舗ブランドです。鮮やかな高音域、力強い中音域、ふくよかな低音域が織りなす独特のGretschサウンド、そして個性的なボディシェイプや目を引くカラーリングといったデザインの魅力が、多くのギタリストを魅了し続けています。White FalconやChet Atkins Hollow Body、Country Gentleman、Duo Jetなど、数々の名器を生み出し、チェット・アトキンスやジョージ・ハリスン、ブライアン・セッツァーといった著名なギタリストにも愛用されてきました。

Gretschギターを選ぶ際には、自分の演奏スタイルや予算に合ったモデルを選ぶことが大切です。中古ギターを選ぶ際には、状態をよく確認することが重要です。また、日頃から適切なメンテナンスを行うことで、Gretschギターを長く愛用することができます。この記事が、Gretschギターを選ぶ際の参考になれば幸いです。

 

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